工房こつぐでは、なるべく事前にお客様が繕い料金の検討ができるように料金設定をしております。 興味はあるけど、敷居が高く金額が見えないのも怖くて依頼できないとのお声を多く伺ったからです。 その為、破損個所の測定の仕方等、少々細かい点もございますが、金額を明瞭にする意味でも以下の 設定とさせて頂いております。よろしくお願い致します。 2021.01.15 改訂
※ 工房こつぐでは、本漆による繕いです。簡漆、簡易金継ぎは行っておりません。
※基本の仕上げは、銀の消粉(マット)仕上げです。オプションで金仕上げ、各丸紛(磨き)仕上げに変更可能です。
各仕上げの特徴、違いについては下記それぞれの仕上げにてご確認ください。
※繕いの代金は、基本作業料+繕い料+オプション による合計です。(消費税と送料が別途必要になります。)
※接着剤等で接着されているものの繕いは、お客様ご自身で外してお送りくださいますようお願い致します。
当方での除去は別途費用が掛かりますのでご了承ください。また状態により、除去作業でお品を痛めてしまいそうな
場合は、お断りさせて頂く場合がございます。
※お品の釉薬や素地の状態により、磨き仕上げが施せない場合があります。その場合は当方の判断で消紛仕上げと
させて頂く場合がございますことご了承ください。
※銀は経年により黒ずむ場合があります。いぶし銀への変化も化粧として楽しんで頂きたいです。
※ただいまガラスの繕い、デザイン仕上げ(蒔絵)による繕いはお休みさせて頂いております。
①マット仕上げ=消し粉仕上げ
極微粒な粉末状の金粉を蒔き、真綿で磨いて仕上げます。
輝きはマットで、磨き仕上げに比べると多少黄色味が強い色に仕上がります。
磨き仕上げより摩耗に弱いです。
②磨き仕上げ=丸紛仕上げ)
丸紛は文字通り球状に加工された金粉です。
紛を蒔いた後、さらに漆で固めて、漆に隠れた金を研ぎ出して磨きます。
消し粉のような黄色味が抑えられる分トーンが暗く感じますが、ピカっと輝き、雅な色味です。
(もう少しピカっと光るのですが、写真が…上手く撮れたら差替えますね)
紛を蒔いた後固めの工程が入る分、手間もかかりますが 消し粉より摩耗しにくいです。
①マット仕上げ=消し粉仕上げ(基本仕上げ)
輝きはマットで、磨き仕上げに比べると 白っぽい色味に仕上がります。
磨き仕上げより摩耗に弱いです。
②磨き仕上げ=丸紛仕上げ
消し粉の白っぽくマットな色味に比べると、より金属っぽい輝きが出ます。
消し粉より摩耗しにくいです。
※銀は経年により空気中の物質と結合して黒っぽく変色します。お化粧直しも手ですが、
金属っぽい硬い輝きからいぶし銀へと変化していくのも楽しんで頂ければと思います。
①黒漆は艶のある黒です。
②弁柄漆は、赤色のひとつですが、朱赤より茶色味が強く、落ち着いたトーンの赤色です。
③白漆は 真っ白ではなく、白の顔料に漆の色味が重なり、ベージュっぽい白です。
※顔料を混ぜて作った色漆は、経年によりだんだん顔料本来の色が出てきます。
顔料と混ぜた漆が硬化して わずかに透明度が上がってくる為です。
白はベージュからより白っぽく。(クリアな白にはなりません。白味が強くなっても やはりベージュです。)
よくあるオプション
●補強:ワレを接着しても、負荷が掛かり破損しやすい箇所に補強を加える。(マグカップの取っ手の接着など)
●釉薬なし:陶磁器の釉薬がない箇所は漆が染み込みやすい為、汚れ防止に作業工程ごとに都度養生作業を行う。
●上絵・蒔絵あり:上絵付や蒔絵がある箇所は、研ぎや磨きの工程で研磨道具をあてられない為、工程ごとに都度養生作業を行う、
●複雑破損:複雑な破損は一度に整形できない為、何パーツかに分けて作業を行う為、通常より作業工程が倍増する為の作業手間。
